今回の記事でわかること
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去勢のメリット
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去勢のデメリット
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去勢の時期
「去勢ってなぜするの?」
「去勢のメリットは?デメリットはないの?」
「去勢はどの時期にするのがいいのだろう?」
初めてワンちゃんと暮らす人にとって、もれなくついてくる「避妊、去勢」。
今回は、男の子のワンちゃん達が最初に経験する手術になる事が多い、去勢手術について説明させていただこうと思います。
今では多くの方が、去勢手術については少し知識があり、何となくは手術をしたほうがいいのかなという認識があると思います。
そのため今では去勢手術をおこなうことは一般的になりました。
それでも初めての手術は不安なもの。
本当に手術はしたほうがいいのか?いつ手術をしたらいいのか?分からないことや不安がたくさんあることでしょう…
今回は当グループの獣医師監修で去勢手術について説明させていただき、みなさんの悩みが解決されればと思います。
去勢手術のメリット
去勢手術をすることのメリットは何でしょうか?
去勢手術(精巣摘出手術)は文字通り精巣を摘出する手術です。
メリットはマーキングなどの抑制や攻撃性の沈静化、生殖器関連疾患の予防などがあげられます。
去勢をしていない(精巣が残っている)ワンちゃん達は、高齢化した際に生殖器関連疾患を発症するリスクが高まっています。
近年、平均寿命が伸びてきたこともあり、特に生殖器関連疾患の予防を目的とした去勢手術が重要だと近代獣医学では考えられています。
それでは、どのような疾患が具体的に発生するのでしょうか。
例えば前立腺肥大や肛門周囲腺腫、会陰ヘルニアなどの疾患があげられます。
ここでは各疾患についての詳しい説明は省略させていただきますが、前立腺肥大や会陰ヘルニアになると、排尿や排便がしずらくなってしまうなどの症状が発症し、ワンちゃん達の生活に支障が出てしまう可能性があります。
そのような疾患を可能な限り予防し、少しでも長く楽しい生活をワンちゃん達が送れるように、私たちは去勢手術することをすすめています。
では、去勢手術をした場合のデメリットとしては以下の2点が挙げられます。
去勢手術のデメリット
① 肥満になりやすい
② 麻酔リスク
・肥満リスクについて
術後、適切な食事量で体重管理をしないと、術後から少しずつ体重が増えていき、肥満になってしまうワンちゃん達がいます。
その対策としての食事内容や食事量に関しては、獣医師と相談しながら適切に体重管理ができれば問題ありません。
・麻酔リスクについて
もう1つは、全身麻酔によるリスクです。
去勢手術は短時間の手術になるため、麻酔時間も短時間ではありますが、麻酔リスクが全くないというわけではありません。
ただし、全身状態に問題のない健康なワンちゃん達の場合には、麻酔リスクは限りなく低いものになります。
また、当院では、麻酔リスクを適切に評価する目的で、血液検査・レントゲン検査・エコー検査をさせていただき、全身状態を把握した上で全身麻酔をさせていただいております。
去勢手術の時期
当院では6ヶ月齢以降を目安としています。
理由として、乳歯から永久歯への生え変わりが6ヶ月齢程度で終了しますが、まれに永久歯が生えているのに乳歯が残ってしまう状態(乳歯遺残)になるワンちゃん達がいます。
その場合には、去勢手術の際に残った乳歯を抜いてあげた方がいいため、6ヶ月齢以降での手術を勧めています。ただし手術時期に関してはあくまで目安であり、より早期の手術やそれよりも遅い時期での手術でも大きく問題はありませんので、手術時期などに関しては診察時などに気軽にご相談いただければと思います。
去勢手術についてお悩みの方は是非、クロス動物医療センターまでお問い合わせください!