猫伝染性腹膜炎(FIP)は、主に2才以下の若齢猫で発症する、致死率がほぼ100%と言われてきた難病です。しかし、原因となるコロナウイルスは多くの猫が持っており、遺伝子変異によりFIPウイルスに変異し発症するとされ、どの個体でも発症する可能性のある病気です。
このFIPには症状の特徴からウェットタイプとドライタイプ、その両方の混合タイプに分類され全体比率としてはウェットタイプ6:ドライタイプ4とややウェットタイプが多い傾向にあります。
———————————————————————————————————————
・ウェットタイプ(滲出性FIP)
ウェットタイプの徴候は、腹部または胸部内への水分の溜まり。これが原因となって呼吸困難を引き起こすことがあります。
血管内からタンパク質が流出、周辺に滲出液が主に臓器周辺に浸出液が溜まることから、腹水・胸水・心嚢水が起こりやすくなります。
・ドライタイプ(非滲出性FIP)
腎臓などの体の臓器のあちこちに炎症により組織のかたまり(肉芽腫)ができることが特徴です。
脳にそのかたまりができれば神経症状(けいれんなど)を引き起こし、眼にできればブドウ膜炎などの眼の症状が現れます。
———————————————————————————————————————
他にもFIPにはウェットタイプ、ドライタイプ双方の症状がでる混合タイプと呼ばれるものもあり、非常に確定診断が難しい病気です。
FIPには特有の症状がなく、どのタイプのFIPでも一般に食欲不振、体重減少、嗜眠、抗生物質に反応しない変動性の熱といったものが現れます。
感染初期は発熱、食欲不振、嘔吐、下痢、体重減少。
感染中期では、食欲不振、著しい体重減少、倦怠感、胸部または腹部の腫れ、栄養失調、貧血、黄疸、変動的な発熱。
感染後期は後期段階の症状、食欲不振、非常な痩身、嗜眠、胸部・腹部の腫れ、息切れ、栄養失調、貧血、黄疸、変動性発熱、慢性的な体調不良、眼の炎症などがみられます。
感染初期のFIPは非特異的な症状であることから、診断がついた際には症状が進行しているケースが多くあります。
異常が見られた場合はFIP治療に対応している、動物病院を早期に受診することが必要です。
現在、FIPウイルスに対して非常に有望な抗ウイルス薬があると発表されており、このウイルス薬に類似の作用(ヌクレオシド系逆転写酵素阻害)を持った薬がMUTIAN Xという製品名で中国内で流通しておりました。
現在はMUTIANと同等の効果を持った新薬であるChuanfuningが中国内で流通しており、当グループでは診断後早期に提供を行えるよう取り扱いを行なっております。
猫のFIPについてお悩みの方がいらっしゃれば、まずはこちらからお問い合わせください。